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「チームの今が、聞かなくても見えてくる。」 ダスキン法人営業本部のマネージャーが見出しつつある「bellSalesAI × Agentforce Coworker」の真価

株式会社ダスキン

法人営業本部 戦略マーケティング部 戦略企画室 小谷 八郎太さま

「チームの今が、聞かなくても見えてくる。」 ダスキン法人営業本部のマネージャーが見出しつつある「bellSalesAI × Agentforce Coworker」の真価

「データを溜め、AIが自律的に分析し、価値を営業に返す——この循環が営業を変える」。株式会社ダスキンの法人営業本部(以下:ダスキン法人営業本部)は今、「Agentforce Coworker」の試行に踏み出しています。Agentforce Coworker はSalesforce上のあらゆるデータを、横断的に検索・分析できるAIエージェントです。

その背景にあるのは、営業担当者がSalesforceに入力する商談データの「量」と「質」に大きなばらつきがあるという課題でした。商談の録音や議事録作成には以前から複数のツールを活用してきたものの、動作の不安定さやツール併用による管理の煩雑さがネックとなり、営業データの蓄積と活用をめぐって長年試行錯誤を繰り返していたのです。

この課題を解決したのが、音声AIを活用した営業支援ツール・bellSalesAIの導入です。導入の経緯や具体的な成果については、2026年6月24日公開のプレスリリース「株式会社ダスキン法人営業本部の“bellSalesAI”導入事例公開 蓄積データをAgentforce活用につなげ、AIを使いこなす営業組織へ」でご紹介した通りです。

高品質な商談データの蓄積が定着した今、同本部がその先に見据え、現在進行形で取り組んでいるのがAgentforce Coworkerの試行です。bellSalesAIで整えたデータ基盤の上に、どのような次の一手を描いているのか、お話を伺いました。

1.Salesforceは導入したのに、データが活きない|ダスキン法人営業本部

かつてダスキン法人営業本部の営業現場にあったのは、名刺管理ツールだけでした。案件の情報は営業担当者の頭の中と手帳の中にしかなく、マネージャーとのミーティングでは口頭のみで共有する——そんな昔ながらの営業スタイルが続いていたといいます。

やがてSFAを導入したものの、入力内容は「見積もり提出」「マットの提案実施」といった一言にとどまり、営業とお客さまの間で交わされた生のやり取りは、データとしてほとんど残りませんでした。必須項目だから、あるいは上司への報告のために仕方なく入力しているだけで、活動履歴には要点のない一言コメントと、逆にまとまりのない長文の備忘録が入り混じっていました。

この状態は、日々の業務に具体的な支障をもたらしていました。人事異動や顧客の担当替えのたびに十分な引き継ぎができず、案件の進捗を知るにはマネージャーが営業本人をつかまえて直接確認するしかありませんでした。特に影響が大きかったのが、複数のソリューションを組み合わせて提案する大手・エンタープライズ顧客です。単発の受注・失注ではなく「どのような経緯で今に至るのか」というストーリーが残らないことは、お客様との信頼関係にも関わる問題でした。営業とお客さまとの対話を可視化し、案件を前進させるという、SFA/CRM導入本来の目的が、なかなか果たせずにいたのです。

「データを蓄積し、AIで分析して営業組織に価値を還元したい」。その構想のもと、同本部は拡張性と外部連携の高さを見込んでSalesforce Sales Cloudへのアップグレードを実施しました。商談の録音・議事録化にも複数のツールで取り組んできましたが、動作の不安定さや管理の煩雑さが課題となり、3回目のツールリプレイスとして選んだのがbellSalesAIでした。

2.bellSalesAI導入後の変化

営業メンバーの間でまず実感されたのは、「商談中にメモを取らなくていい」という変化でした。以前はメモを取ることに気を取られ、いつの間にか商談そのものに集中できていなかったことに、bellSalesAIを使い始めて初めて気づいたという声もあります。

マネージャー側の変化はさらに大きなものでした。「報告してもらわなくても、見に行けば商談の中身が分かる」——これまで直接ヒアリングしなければ分からなかった状況が、Salesforceを見るだけで把握できるようになったのです。週次で実施している1on1でのコミュニケーションも、これまでの感覚的な「空中戦」から一変しました。AIが書き出す記録には営業担当者のバイアスが入らないため、客観的に要素分解された情報をもとに具体的な会話が行えます。商談の解像度が上がったことで、より的確なNext Action(次の一手)を設定できるようになりました。

もっとも、導入初期はすべてが順調だったわけではありません。営業の中身がすべて可視化されることに対し、「丸裸にされるのではないか」という懸念の声もありました。これに対しては、「なぜやるのか」「営業担当にとってどんなメリットがあるのか」を、特に検証段階のメンバーへ丁寧に伝えることを徹底しました。加えて、「サマリーを全部読むのは大変」という現場の声を受けて、合意事項やネクストアクションなど必要な情報をすぐに取り出せるよう記録項目の改良を重ね、最終的に30項目まで拡張しました。

データの定着を最終的に後押ししたのが、KPI化という決断です。当初は録音もSalesforceへの連携もスムーズには進みませんでしたが、「bellSalesAI経由でSalesforceに登録されたものだけを、商談件数のKPIとして認める」という明確なルールを導入しました。営業サイドの理解と協力を得られたことで運用は一気に定着。結果として、録音件数およびSalesforceへの連携数は、KPI化を本格実施する前の前年同期間と比較して2.5倍にまで急増しました。現在も高水準の録音率を維持し続けています。

「以前は、営業担当の報告が本当かどうか、確かめようがありませんでした。それが今は、報告を待たなくても、Salesforceを見に行けば商談の中身がすべて分かる。AIは正直で、営業担当のバイアスが入らない、客観的な事実をいつでも書き出してくれる。マネージャーにとって、これは非常に大きな変化でした。」

小谷八郎太さま(株式会社ダスキン 法人営業本部 戦略マーケティング部 戦略企画室)

3.次のステップ|Agentforce Coworkerの試行

bellSalesAIの導入で高品質なデータが蓄積される中、ダスキン法人営業本部が次に踏み出したのがAgentforce Coworkerの試行です。

なぜ今、Agentforce Coworkerなのか

商談データの蓄積が進むにつれ、「蓄積したデータをどう活かすか」という活用フェーズへの移行が課題として浮上しました。Agentforce Coworkerは、CRMデータに加え、社内のさまざまなデータソースを横断して検索・要約できるAIチームメイトです。必要に応じて専門のAIエージェントを呼び出し、タスクを自動実行することもできます。ダスキン法人営業本部は「データの量と質をしっかり担保したSalesforce一元化が前提」と語ります。データが揃っていない状態でAIエージェントを導入しても、期待する成果は得られません。bellSalesAIによる地道なデータ蓄積があったからこそ、Coworkerの試行に踏み出せたのです。

試行状況:模索の中で見えてきた気づき

現在、全営業を対象にトライアルを実施中です。活用はまだ道半ばであり、どのような場面でCoworkerが力を発揮するのか、手探りで確かめている段階です。

営業メンバーは、自身が担当する商談内容をすでに把握していることもあり、日常業務の中でCoworkerを使う場面はまだ限られています。今後、Coworkerからエージェントを介して報告書の作成、ToDo化、アラート作成などができるようになれば、活用の幅が広がるのではないかと期待が寄せられています。

一方、マネージャー層からは「チーム内の有望案件は?」「先週動きがあった案件は?」といった、複数案件を横断して全体感をつかむ用途に可能性を感じるという気づきが生まれつつあります。個々の商談を把握している営業メンバーよりも、チーム全体を俯瞰するマネージャー向けのユースケースとの相性が良さそうだ——そんな感触が、試行を通じて少しずつ見えてきました。なお、問い合わせ方式は当初ボタン式も検討されていましたが、現在はフリーテキストで開放されています。

次のテーマ:「ニーズカード(改善のタネ)」項目の新設

Coworkerでの横断分析・レポート化をより有意義にするため、ダスキン法人営業本部はCRM/SFA側に顧客のニーズを収集する専用項目「ニーズカード(社内名称:改善のタネ)」を新設しました。

背景にあるのは、外部データサービス経由で「業種」「企業規模」「売上」といった取引先属性はすでに保有しているという事実です。ここに顧客ニーズを掛け合わせた傾向分析を、Coworkerで行いたいという狙いがあります。

なぜ、現行の「関心要望」項目では足りないのでしょうか。「関心要望」は、営業からの提案・問いかけに対して「顧客が関心を持ったか」を拾う、営業起点の項目です。一方、新設した「ニーズカード(改善のタネ)」は、顧客から自発的に出てくる未解決の課題や改善要望、不満・困りごとを拾い上げる、顧客起点の項目です。こうした情報はこれまで顧客の発言など複数の項目に分散していたため、分析用に一括収集できる項目として設けられました。

目指す活用イメージ:属性×ニーズの横断分析

ダスキン法人営業本部が目指すのは、取引先属性(業種・規模・売上など)とニーズカード(課題・要望・不満など)を掛け合わせた横断分析です。これが実現すれば、「この業種・規模では、どんなニーズが多いか」「企業規模によってニーズに違いはあるか」といった、営業・提案活動に直結する示唆を得られるようになります。

「使わなければ意味がない」という原則

ダスキン法人営業本部が一貫して重視しているのは、「使わなければ意味がない」という視点です。KPI化など手段は問わず、まず使ってもらい、その上で試行錯誤を繰り返す——この姿勢が、bellSalesAI導入の成功につながりました。

Agentforce Coworkerの試行でも、同じ原則が貫かれています。Salesforceへのデータ一元化を前提に、「データ × AI」で営業へ価値ある情報を還元する好循環を実現する計画です。

「データの量と質をしっかり溜めて、そこをAIが見に行き、価値ある情報を営業担当やマネージャーに返していく——これが実現したくて取り組んできました。ただ、連携しても使われなければ意味がありません。あの手この手でまず使ってもらい、使って意味が出るように試行錯誤を繰り返していくことが重要だと考えています。」

小谷 八郎太さま(株式会社ダスキン 法人営業本部 戦略マーケティング部 戦略企画室)

4.まとめ

Salesforceは導入したのに「データが活きない」。ダスキン法人営業本部が直面していたこの課題は、多くの営業組織が抱える共通の悩みです。

bellSalesAIの導入によって商談データの蓄積が進んだダスキン法人営業本部は今、その先のステップへと歩みを進めています。Agentforce Coworkerの試行は、まさにその挑戦の始まりです。

「データを溜め、AIが自律的に分析し、価値を営業に返す——この循環が営業を変える」。その道のりはまだ半ばですが、bellSalesAIで整えたデータ基盤と、試行錯誤を恐れず「まず使ってみる」姿勢が、組織を一歩ずつ確実に前進させています。

さらに、Agentforceを活用した営業スコアリングの実装も予定されており、受注確度の予測や提案力の向上など、営業価値の向上に向けた取り組みが続いていきます。

高品質なSalesforceデータ基盤の構築と、その上に築くAI活用の次のステップ。ダスキン法人営業本部の取り組みは、Salesforce導入企業における「データ × AI」の一つのモデルケースとなるでしょう。

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