CRM入力最大85%削減だけじゃない!TAPPがベルセールスAIで実現した、営業組織の自律的成長
株式会社TAPP
営業部 事業推進担当 課長代理 原口 楓さま

不動産業界で投資用不動産を扱う株式会社TAPP(以下:TAPP)では、インサイドセールス(IS)とフィールドセールス(FS)間の情報共有をSalesforceで運用してきました。
本記事では、TAPPがベルセールスAIを導入することで、手入力中心だった情報共有をどのように標準化し、営業生産性向上へつなげたのかを営業部 事業推進担当 課長代理 原口 楓さまにお伺いしました。
1.導入前の課題──「共有工数が膨大」「入力内容のばらつき」手入力運用の限界
TAPPではベルセールスAIを導入する前、ISがSalesforce上に作成した項目へ必要情報を手入力し、FSが確認するフローで情報を共有していました。
当時の情報共有フロー
- ISがSalesforceへ商談内容を手入力
- FSが内容を確認し、必要に応じて追加ヒアリング
- 1案件あたり20〜30分の入力時間がかかっていた
入力自体は「8割程度」実施できていたものの、次第に課題が顕在化していきます。
現場で生じていた課題
- 商談情報を共有するための工数が膨大になっていた
- 入力内容の質にばらつきがあった
- 定量項目(数十項目)+定性項目(6〜7項目)の両立により負担が増えていた
- プレイングマネージャーは最大8商談/日を抱えることもあった
原口さまは、当時をこう振り返ります。
「Salesforceに入力する項目はどれも必要な情報でしたが、結果伝えたい事項が絞れず、商談情報の共有工数が膨大になっていました。」
“ 情報は共有しているのに重要な情報が揃わない ”。この状態こそが改善の出発点でした。
2.導入までの経緯──比較検討の末、「リアルタイム閲覧」と「出力スピード感」を評価
ベルセールスAIは複数社比較のうえで選定されました。決め手となったのは、次の2点です。
- リアルタイムでログが見られること
- 出力のスピード感
特に重要視していたポイントは「スピード」でした。
TAPPではFSの空き状況によって、トスアップが当日になることが度々起こります。すぐに詳しい話を聞きたいと思われる顧客のニーズに答える必要があるため、要約の待ち時間が長いほど致命的になり得ます。そのため、面談終了後2~3分ほどすれば、ひと通り要約内容がまとまって出力されるスピーディーなAI処理が大きな決定打となりました。
導入時の懸念と定着策
一方で、導入直後は、形骸化してしまうのではないかという不安もありました。
そこでTAPPが取ったのは、“まずはルール化する”という選択です。
- ベルセールスAIで録音・記録することをマストルールに設定
- Salesforce連携で取得状況を可視化
- 設定したマストルールを、まずは徹底して運用する
「すぐに良さを実感できるわけではないからこそ、まずはやってもらうところから」。この徹底が、定着の土台になりました。
3.活用方法 ── 「入力工数削減」と「商談の質確認」を両輪で運用
現在、ベルセールスAIは営業部全体で導入していますが、ISが主体となって活用しています。
ISでの主な活用
ISでの主な活用方法は、次のとおりです。
- 商談内容の自動記録・要約
- Salesforceへの紐づけ(Salesforce連携)
- 定性的情報の手入力を削減(※)
(※)「お客様の所感」「キャラクター」「商談の内容を文章でまとめる」といった記述形式の記録もベルセールスAIで代替し、"手で文章を打つ量"を削減
これらは、記録が「作業」から「共有資産」へと、営業現場の業務構造そのものを変える転換点となりました。
商談評価を仕組み化
TAPPでは、エンジニアとともに採点項目を設計し、ベルセールスAIのカスタムプロンプト機能を活用した商談評価の仕組みを運用しています。AIが商談内容を自動で採点することで、ISが自分の商談品質をセルフチェックできる環境を実現しました。
この仕組みが特に好評なのが、プレイングマネージャー層です。「役職が上がるとフィードバックをもらえる機会が減る。AIが第三者として評価してくれる環境ができたことが良かった」という声が上がっており、上位メンバーの自己研鑽ツールとしても機能しています。
評価結果は本人のみが確認できる設計のため、メンバーが「AI目線でも良い商談だった」と自信を持てるポジティブな活用が広がっています。
今後はこのAI評価をSalesforce上でダッシュボード化し、マネージャーによる組織全体の底上げに活用していく予定です。
4.導入しての成果・効果──入力最大85%削減/記録時間は18分 → 8分台へ
ベルセールスAIを導入し、定量面において以下のような明確な成果が出ています。
- CRM入力時間:最大85%削減
- 記録時間:平均18分 → 8分台へ
- 進行中商談数:150%UP

記録時間が18分から8分台へ短縮されたことで、1日あたり約10分×商談数分の余白が生まれ、営業活動へ再投資できる時間が確保されました。
入力工数が減ったことで、自分で管理できる案件数が増え、それが進行中商談数の増加にもつながりました。
さらに副次的な効果として、月4回だった研修開催数を3倍に増やせたほか、トッププレイヤーに時間が生まれることでマネジメント時間の確保につなげることもできました。
5.営業現場の声──「良い商談」を言語化する癖がついた
TAPPが最も大きな価値だと感じているのは、“言語化”です。
原口さまはこう語ります。
「弊社にとっての良い商談を言語化するなら”こうだ”、という棚卸しができたことが一番の財産です」
何が重要で何が重要ではないかを整理できたことで報告文の質が向上し、IS-FS間の議論も活発化。商談改善のPDCAが回るようになりました。
「理想的な商談は、顧客が意思決定できる状態を作れている商談」「“うまい”で終わらず、なぜうまいのかまで考えられるようになった」ことで理想的な商談を言語化する癖がつき、再現性を持った育成へつながる変化が生まれています。
6.今後の展望──最適配置とマネジメント高度化へ
今後は、Salesforce上でのデータ活用をさらに進めていく構想です。
- 顧客属性に応じた最適なコンサルタントの振り分け
- AI評価の可視化とダッシュボード化
- マネジメント工数削減と質向上
また、定量データを基に金融機関の最適条件を算出する業務の自動化も検討が進んでいます。今後はSalesforce上のデータを活用したユースケースを、Agentforceによってさらに拡大していこうとしています。
まとめ──工数削減を起点に、“AIを活用する文化”が根づき始めた

TAPPでは、手入力中心の共有運用が工数増大と入力内容のばらつきの原因になっていました。
しかし、ベルセールスAI導入後は、CRM入力最大85%削減、記録18分→8分台、進行中商談数150%UPという成果が生まれています。
一方で、TAPPが最も価値を感じているのは“数字”ではありません。
「商談を言語化する癖がついた」
この変化こそが、TAPPにとって最大の財産です。
工数削減を土台に、商談の再現性と育成の仕組みづくりへ。TAPPの取り組みは、次のフェーズへと進んでいます。


